コラム
固定資産税
2023.01.26
マンションに関わる税制特例措置
松の内の賑わいも過ぎ、日常生活が戻ってまいりました。より一層寒さが厳しくなるので、体調管理に気を付けていきたいと思います。
さて、今回は最新のマンションに対する税制特例措置についてお話したいと思います。
マンションの経年により、壁面剥落や雨漏りといったトラブルが増えていきます。そこでトラブルに対応するための大規模修繕や設備の更新など様々な工事が必要となります。
ただ、工事費の急激な上昇や管理体制の欠如で、マンションの長寿命化に必要な積立金が不足する事態が発生しています。最悪の場合、廃墟化で周辺への悪影響や除却の行政代執行に繋がることも考えられます。
そんな不測の事態に備えるため、令和5年度税制改正大綱に「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置」(マンション長寿命化促進税制)の創設が盛り込まれました。
以下の条件で長寿命化工事を実施した場合、翌年の固定資産税が減額されます。減額割合は1/6~1/2の範囲内とし、市町村が条例定めることになります。
1. 築後20年以上が経過している10戸以上のマンションであること
2. 長寿命化工事を過去に1回以上適切に実施していること
3. 長寿命化工事の実施に必要な積立金を確保していること
4. 特例を受けるための長寿命化工事が令和5年4月1日から令和7年3月
31日までの間に完了すること
この特例措置について現段階では法令化されておりません。条件や減額割合の変更もあり得ますので、今後より詳細な情報を注視していきたいです。
【参考資料】
国土交通省 報道発表資料
「マンション長寿命化促進税制が創設されます!~マンションの長寿命化工事の実施に向けた管理組合の合意形成を支援します~」