コラム

2023.05.23

「特定承継人」ってどんな人?

 5月はゴールデンウイークやイベントの多い季節ですね。各地で開催されたお祭りに参加された方も多いかと思います。石川県には歴史あるお祭りが多く残っています。伝統文化の継承には多くの人々の苦労が積み重なっていることでしょうね。
 今回はマンションの管理規約にも出てくるキーワード「特定承継人」についてお話いたします。マンションの区分所有権について引き継ぎ時に覚えておきたい言葉です。
 
  • まず、マンションにおいて「特定承継人」とはどういう人を指すのか見ていきましょう。
① 売買、贈与でマンションの区分所有者となった人
これは分かりやすいかと思います。不動産屋さん等で購入した場合がこの例に該当します。
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② 競売で競落しマンションの区分所有者となった人
裁判所の不動産執行手続や金融機関の抵当権実行で競売にかけられたマンションの専有部分を落札し、区分所有権を取得した場合はこの例に該当します。
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③ マンションの区分所有権を譲渡担保として設定し、その権利を移転され譲渡担保権者となった人
「譲渡担保」の例として、お金を借りた時の場合を考えます。お金を貸した人を債権者、お金を借りた人を債務者と呼びます。「譲渡担保」を設定すると債権者は債務者から提供された「担保」を自分のものとして受け取ります。債務者が借りたお金を返済すると、債権者は「担保」に設定した所有権や財産を債務者に戻します。
例の中で設定した「担保」はマンションの区分所有権です。「譲渡担保」を設定した時点で、「譲渡担保権者」となり、同時に「特定承継人」となります。
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④ マンションの区分所有権が三者以上にわたって移転し、最初と最後以外の区分所有者となった人
 イメージ画のようにマンションの区分所有権がAさんからBさんへ、BさんからCさんへ移転する時、中間にいるBさんも特定承継人になるということです。※過去には「中間取得者は特定承継人にならない」と判例もあります。ただ、近年は中間取得者も特定承継人として認める傾向がみられます。
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  • なぜ、特定承継人が重要なのか?

 売主がもしそのマンションの管理費等を滞納している場合、その区分所有権を得た「特定承継人」は滞納分を引き継ぎ、支払わなければなりません。「前の持主が作った滞納だから、自分には関係ない」という主張は通用しません。マンションを購入の際は管理費・修繕積立金・その他利用料の滞納状況を確認し、予期せぬ請求がないよう十分注意しましょう。 

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