コラム

2020年10月

2020.10.19

マンションの消防点検について

  10月に入り、金沢では朝晩冷え込むようになってきました。それでも日中は暑いくらいの日もあるため、着る服にお困りの方も多いのではないでしょうか?体調管理も難しい時期ですね…
 さて、今回はマンションの消防点検についてお話したいと思います。
 
(1)消防点検しないとどうなるのでしょう?
 『政府広報オンライン』によると「住宅火災による経過別死者発生は、逃げ遅れが半分を超えて最多となっている」と記載されています。正直、本当にびっくりしました。このことから、火災に遭った場合、ひたすら「火事だ~」と叫びつつ火元から遠ざからねばならないことが分かります。
 特にマンションのような集合住宅の場合、火災になった時に感知器等の不備・故障により作動しなかったことが原因で、ご自身やご家族の身に危険が及んだり、ご近所の方々へも被害が拡大する恐れがあります。また、故障を放置していたことが被害拡大につながったと見られた場合、居住されている方の責任が問われる可能性もあります(人としてどうなの?ってことですね)。
 こうなると、外へ出ればひそひそ陰口たたかれるし、部屋にこもれば焦げ臭い部屋の中で窓とカーテンを閉め切って過ごさないといけないし、心身ともに居心地は最悪になります…こんな妄想をする前に、消防点検を受けてスッキリしましょう!
 
(2)消防点検ってどこを点検してもらえるのでしょうか?
 お住まいの方にご協力をお願いしたい点検場所は、以下の場所です。
 
 ① お部屋の天井に設置されている火災報知器(および火災感知器)
   (各部屋の天井だけではなく、押し入れやクローゼットの天井にもあります。)
 
 ② ベランダの床にある避難はしご
   (全ての部屋に設置されているわけではありません。他の部屋からは「隔て板」を破って移動・避難します。)
 
 火災報知器については、専用の器具で一定時間感知器をあぶり、熱を感知して信号が伝わるか確認します。
 なお、新しいマンションではお部屋に入らずに点検できる「外部試験機」という設備が整備されていることもあります。ただし、外部試験機で行うのはあくまでも電気信号による試験のみです。(とくに押入れなどで)感知器自体に異常はなくても、周囲に荷物が山積みになっているため火事の際に正しく作動しない、といった不備も考えられます。そのため、事情が許すのであれば入室点検を行う方が理想的です。
 
 避難はしごについては、金属製のフタを開けてから実際にはしごを降ろし、正常に作動するか確認します。
 外部試験機で感知器が点検できるマンションでも、こればっかりはベランダに人が入って点検するしかありません。はしごが設置されているお部屋の方には大変恐縮ですが、上下階の皆様の安全にも関わりますので、ぜひ点検にご協力ください。
 
 このような点検を1年に2回行うので、点検作業中はご在宅いただき、点検者さんを見ていていただきたいのです。
 お住まいの部屋以外にも、廊下に置いてある消火器に期限切れや破損がないか、誘導灯が点灯するか、消火水槽に水が溜まっているか、消火栓ポンプに異常がないか…など、いろいろな所を点検してもらえます。
 
(3)消防点検って、住んでいる人は何をしたらよいのでしょうか?
 もし、お住まいのマンションで『消防点検のご案内』掲示を見た場合、下記のとおりにしていただけると非常に助かります。
 
 ① 前日までにお願いしたいこと 
  
  ◎ 実施する日時にご在宅できるよう、予定を空けましょう(通常、在宅時間は15分もあれば充分です)。
 
  ◎ お部屋ごとに実施(予定)時間が決められていますので、
    もし時間変更をご希望の場合はその旨を管理会社(もしくは点検会社)へご一報ください。
 
  ◎ 金属製のフタがあるベランダに荷物や鉢植えなどがある場合、フタの上や周辺からずらしておきましょう。
 
 ② 当日お願いしたいこと 
 
  ◎ 作業日時にご在宅をお願いします。点検当日はたまに非常ベルが鳴りますが、通常は心配ありません。
 
  ◎ 各部屋の扉だけでなく、収納や押し入れなど全部の扉を開放しておいてあげると点検者さんが喜びます。
    (慣れた点検者さんでも「ここ開けていいですか?」と聞くのは気が引けるようです。)
 
  ◎ 1~2名の点検者さんがお伺いしますので、チャイムが鳴ったらお出迎えお願いします。
 
  ◎ トラブルが無ければ、はしご設置のお部屋でも10~15分でご自宅内の点検が完了しますので、その際サインをお願いします。(点検業者によってはサインを求めないこともあります)
 
  ◎ 『火災感知器のある高さまで荷物を詰めると煙を感知しにくいので、ここの荷物を移動してください』
    『ベランダの巨大サボテンが非難はしごの真下に置いてあります。このままでははしごが下ろせず、上から避難してきた人が大変な目に遭いますので、はしごの周囲(上下とも)に置かないようにしてください』
    (笑い話のようですが、これらは実際に私が聞いた話です。)
    など、たまに点検員さんからワンポイントアドバイスがあります。ご自分でできそうならやっていただき、無理そうなら管理会社へ相談しましょう。
  
 重ねて申し上げますが、住宅火災による経過別死者発生は、逃げ遅れが半分を超えて最多となっています。
 万が一の際すばやく避難できるよう、消防点検へのご協力をよろしくお願いします!

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