コラム

2021年06月

2021.06.28

マンションのエアコン交換および新設工事について

 6月に入って、温度と湿度が高く、蒸し暑く感じられる時期となりました。
 金沢では今頃だと雨続きのはずなのですが、今年は空梅雨らしく雨に恵まれないので、マンションの管理人さんが蒸し暑いなか、汗だくで植木に水やりをしてくれています。ありがたいことです。
 
 さて、今回はマンションにおけるエアコンの交換および新設工事についてお話ししたいと思います。
 時節柄ということもありますが、先日、弊社の管理するマンションに新しく入居された方から以下のご相談を受けてびっくりしたからです。
 内容は以下のとおりです。
 ① 全国展開している某家電量販店で、古いエアコンの交換とエアコンの新設工事、合計2台分の工事を依頼した。

 ② 某家電量販店の販売員に、分譲マンションであること、古いエアコンおよびエアコンを新設して欲しい壁面、部屋の写真を見せ、2台分のエアコン工事が可能であることを確認した。

 ③ 某家電量販店の工事担当者から「エアコンを取り付ける2部屋を確認したい」と連絡があったため部屋に案内したところ、工事担当者から以下のように告げられた。
   「古いエアコンを取り付けてある部屋は外部に面しているため、標準工事で取付可能。」
   「エアコンを新設する部屋は外に面していないため、冷媒とドレン排水の長い管が天井裏に配置されている。この管は使われなくなって数年経過しているため、水垢やゴミが詰まっている可能性がある。このままではエアコン新設工事ができない。新しい配管をしてもらえるよう管理組合に相談したらどうか。ちなみに某家電量販店ではこの工事ができないため、配管業者は自力で手配して欲しい。」
 
 これに対する管理会社の返答は以下のとおりです。
  ① エアコン配管は「専有部分(もしくは専用使用部分)」にあたるため、保守管理は区分所有者にお願いしています。
 
  ② したがって、ご相談者が新しい配管をご希望であれば配管業者をご紹介するが、自費となることをご了承いただきたい。
 
  ③ そもそも、家電量販店のエアコン工事班は、エアコン専門のはずなのになぜ工事できないのか?
    (弊社が相談した、どの配管業者さんも異口同音に不思議がっていましたね…)
 
 その後、こうなったそうです。
  ① 弊社がご紹介した配管業者が配管内部に窒素ガスを通して確認したところ、詰まりは無いため新しくする必要はないとのことでした。
 
  ② 入居者さんがその旨、某家電量販店の工事担当者にお伝えしたのですが、新しく配管してもらえないならエアコンの新設工事はできない!の一点張りだったそうです。
 
  ③ 困り果てた入居者さんが配管業者さんに再度相談したところ、同情した配管業者さんがエアコンの新設工事を行うことになったそうです。
 
  ④ 入居者さんから某家電量販店へ、エアコンそのもののキャンセルをお願いしたそうです。
 
 このような事件がありましたので、マンションにお住まいの方々には以下の内容を参考としてお知らせ致します。
  ① エアコン配管は他の住戸につながっていないため、原則として専用部分です。天井裏などの共用部分にエアコン配管がある場合でも、配管そのものは「専用使用部分」として区分所有者が保守管理するのが一般的です。
 
  ② 窓ガラス、網戸、ドアは共用部分ですので、許可なしに取替や工事を行うことは出来ません。ただし、これらの部分は「専用使用部分」に当たりますので、通常の使用における清掃や修繕の費用負担は所有者が行うことが原則です。
 
 専有部分と共用部分の境界については、そのマンションの事情により裁判でも判決が分かれることがあるくらい難しい問題です。疑問に思ったら、工事に入る前に管理会社までご相談いただくことをおすすめ致します。
 

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