コラム
2023.02.24
マンション居住者が災害発生時に取るべき対策について
立春が過ぎ、暖房が欠かせない朝晩の寒さに耐えつつ、春の訪れを今かと待ち望んでいます。先日、トルコ・シリアで発生した大地震で今まさに寒さに耐え、救援を求める人たちがいることを思うと心が痛みます。
日本でも異常気象や災害は増加傾向にあり、マンションにお住まいの方にも危機意識は高まっているようです。東京都の晴海地区では、2つのマンション管理組合が自治会とも連携して、共同の防災訓練を行ったというニュースもありました。これらのマンションはいわゆる「タワーマンション」で、入居者も多く高層階の方については避難も大変です。災害により停電が発生すると、エレベーターや給水ポンプが使えないことも大きな問題となるため、今回の訓練実施に至ったのではないでしょうか。
石川県ではタワーマンションというほどの建物はほとんどありませんが、珠洲の地震や小松市を中心とした水害など、2022年も多くの災害が発生しており、決して他人事ではないと感じています。
ちなみに、災害発生後に想定されるリスクとして以下のようなものがあります。
① 電源の確保
② 水と食料の確保
③ 生活空間の確保
上記3つは戸建住宅でも同じように必要な対策ですが、マンション特有の注意点として、
④排水管の破損による漏水 があります。
配管が破損している状態で排水をしてしまうと、マンション内に汚水があふれてしまう場合があります。「震度6以上の地震が発生した場合、配管の点検した後に排水を行う」といったルールを管理組合で事前に決めておくのもよいでしょう。排水が出来ない時は携帯トイレの準備も必要ですね。
マンションは大勢の世帯がいるからこそのメリットもあります。一人一人が作業分担などをしていくことで、いざという時に助け合うことができます。入居者同士のコミュニケーションが盛んであればあるほど、より危機対応に強い組織になっていくことでしょう。