コラム
2021.09.22
マンション共用部の新電力切り替えについて
9月に入り朝晩は涼しくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。この時期は衣類を選ぶのが悩みの種でもあります。
さて、今回はマンション共用部への新電力導入についてお話ししたいと思います。
マンション共用部の電気契約は設置されている設備によって異なりますが、一般的な電気契約は3種類となります。
① 従量電灯:共用部の照明(共用廊下、階段、駐車場など)
② 低圧電力:共用部の設備(エレベーター、給水ポンプ、消火栓ポンプなど)
③ 融雪用 :融雪用井戸ポンプ設備 ※ 北陸電力ではホワイトプランというプラン名です。
2016年4月1日からの「電力の小売全面自由化」により、自由に電力会社を選び契約ができるようになりましたが、新電力会社の数が多すぎてどの「電力会社を選べばよいか分からない!」という方もいらっしゃると思います。
そこで、弊社受託のマンションで、実際に電力会社の変更を行った事例をご紹介します。
このマンションでは、ご自宅を新電力に切り替えされた役員様よりご提案をいただき、検討を開始しました。
マンション共用部の電気については管理組合名義で契約しているため、ご自宅で電力会社を切り替えるときと比べ、下記のような注意点があります。
① クレジットカード払い限定の新電力会社は選択できない
→ ほとんどの場合、管理組合名義でクレジットカードを作ることはできないと思います。
② 初期費用や違約金など、リスクのある契約を行う場合は丁寧な合意形成が必要
→ 最終的にはそれぞれの管理組合様でご判断となりますが、電気料金の削減率が大差ない場合は、安全な契約(新電力会社)を選ぶほうがスムーズに契約変更できると思います。
③ 融雪用電力(及びオール電化契約の管理人室)など、新電力契約が不可、もしくは向かない部分がある
→ 契約種別によっては、そもそも新電力のプランがない、もしくは採算が合わないので切り替えできない、ということがあります。この場合は地元電力会社と引き続き契約することになります。
したがって、共用部分の電力会社(電灯および動力)切り替えにあたっては、下記基準を満たした電力会社で試算を行いました。
① 既設メーターからスマートメーターに変更となるため取り付けの際に費用が発生しないこと
② 途中解約による違約金が発生しないこと
③ 口座振替による支払いが可能なこと
理事会で上記の条件に合う電力会社の候補を3社に絞り検討したところ、一番削減率が高い電力会社に変更することについて理事会決議を行い満場一致で可決されました。
電力会社の変更にあたっては、電力メーターの取替(スマートメーター)が必要です。工事の際は一時的に全館で停電となりましたが、事前にご案内していたことも有り、大きなトラブルもなく切り替えが完了しました。
なお、電力会社の料金プランは色々なものがあります。
① 基本料金を割引
② 基本料金ゼロで完全従量制
③ 従量料金のみ割引
④ その他(①と③のミックスなど)
どのプランが一番オトクか?というのはマンションの電力使用量によって変わります。また、同じマンションでも、「照明器具のLED化」などにより前提条件(電力使用量)が大きく変わる場合は電力会社の再変更を検討したほうが良いかもしれません。
新しい会社も続々と参入していますので情報収集が大変ですが、一度契約変更をすれば、管理組合様は何もしなくても経費節減ができますのでご一考の価値はあるかと思います。まずは管理会社にご相談されることをお勧めします。
※ 金沢市及び近郊地区の管理組合様であれば、弊社のマンション管理士による対応も可能です。よろしければお問い合わせフォームからご相談ください。
以上、ご参考になれば幸いです。