コラム

2023.09.01

玄関扉にまつわるトラブル

 毎日、うだるような暑い日々が続いていますね。「熱中症警戒アラート」と呼ばれる注意喚起も連日報道されているほど、外での活動がしづらくなっております。エアコンの使用やこまめな水分補給を行い、暑さで倒れないように心がけていきたいです。
 
【玄関扉を開けっ放しにすると…】
マンションにおいても気密性が高いため、室内に熱が入り込むとなかなか冷めにくい傾向にあります。部屋の中の熱気を排出するために玄関扉を開放し、風通しをしている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、長時間玄関扉を開放することが「消防法」に抵触するのです。玄関扉には「防火扉」としての機能があります。部屋の中で火災が発生した時、他の部屋に火が燃え移らないよう防ぐ効果があります。「防火扉」は煙が漏れ出すことも防ぎます。また、廊下の幅が狭い場合、扉を開放していると避難の妨げになることも考えられます。
 
【換気を効率的にするには?】
 扉を開放せずとも換気は可能です。まず、①窓の開け方を工夫しましょう。そして、②台所の換気扇を活用しましょう。
 
 ①部屋の対角線上に窓がある場合は両方を開け空気を入れ替えましょう。窓が一つしかない場合は窓のそばに扇風機を置いて風の流れを作りましょう。窓がない部屋は扉付近に扇風機を置き、窓のある部屋へ空気を流しましょう。
 
 ②最も排気量が多い台所の換気扇を運転させると、より効率的に室内の空気を外に出すことができます。その際、台所からできるだけ離れた窓を開放すると部屋全体の空気を動かすことができるでしょう。
 

この他にも、遮光カーテンを設置することで日光を遮り、室内の温度が上がることを防ぐことができます。室内の温度を下げてからエアコンを使用することで消費電力の節約にもなります。工夫次第で玄関扉の開放をせずとも温度管理ができますので、暑い夏を上手に乗り切りましょう。 

2023.07.10

マンションを長期間空ける時に気をつけたいこと

 暑い日々が続き、熱中症に気をつけたい季節となりました。夏休みやお盆に向けて旅行や帰省を考えている方も増えていくことでしょう。長期間マンションを不在にするとき、空き家対策を行う方も多いかと思いますが、改めて注意したいことについてお話しします。
 
 【空き巣が見ている不在の様子】
 空き巣がターゲットにする家というのは特徴があります。留守にする場合、家の様子に変化がない状態となります。昼間はカーテンが閉めたままで、夜なのに電気は点いていない。インターホンを押しても反応がない。不在だと思われ侵入の隙を与えてしまいます。
 
 【不在前に抑えておきたい準備ポイント】
 空き巣対策として3つをご紹介します。
 
1つ目の対策は「郵便局に不在届を出しておく」です。郵便ポストに郵便物が放置されていることを空き巣に見つかってしまうと被害のターゲットになってしまう可能性が高まります。郵便局で不在であることを届けておくと、不在の間、郵送しないようにすることができます。チラシについては投函禁止プレートで対応するか、親戚知人に回収をお願いする方法があります。
 
 二つ目の対策は「出入口・窓の防犯対策」です。高層階だからといって窓を施錠せずにいるのは禁物です。外壁配水管をよじ登って侵入されるケースもあるようです。さらに、窓には防犯フィルムを貼る、振動や開閉で鳴る防犯ブザーの設置という方法でも対策はできます。
 
 三つ目の対策は「近所やマンション管理会社への不在連絡」です。ご自宅の異変や不審者の出入り対策には人の目が一番です。不在と聞いているのに人影や室内照明の点灯で近所の人が気づいてくれることもあるでしょう。マンションの場合、管理規約で長期間不在の届け出を定めている場合があります。火災時や周囲住戸からの漏水といったトラブルで管理会社が在宅状況に応じた判断が可能になりますので、必ず連絡を入れましょう。また、管理会社から送られる書類は郵便局の不在届では対応できないため、重要なお知らせなどは滞在先に郵送してもらうよう申し出ましょう。
 
【事前準備で心置きなく外出を】

このほかにも、ガスの元栓を閉めておくことや換気を行うことなど対策はいろいろあります。不在期間にもよりますが、空き家の見回りなどを行ってくれるサービスを利用する方法もあります。外出後も後悔や不安なくご旅行やお仕事に集中でき、緊急時にも警備会社が駆けつけてくれるといったメリットもありますので、利用してみるのも良いかもしれません。 

2023.05.23

「特定承継人」ってどんな人?

 5月はゴールデンウイークやイベントの多い季節ですね。各地で開催されたお祭りに参加された方も多いかと思います。石川県には歴史あるお祭りが多く残っています。伝統文化の継承には多くの人々の苦労が積み重なっていることでしょうね。
 今回はマンションの管理規約にも出てくるキーワード「特定承継人」についてお話いたします。マンションの区分所有権について引き継ぎ時に覚えておきたい言葉です。
 
  • まず、マンションにおいて「特定承継人」とはどういう人を指すのか見ていきましょう。
① 売買、贈与でマンションの区分所有者となった人
これは分かりやすいかと思います。不動産屋さん等で購入した場合がこの例に該当します。
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② 競売で競落しマンションの区分所有者となった人
裁判所の不動産執行手続や金融機関の抵当権実行で競売にかけられたマンションの専有部分を落札し、区分所有権を取得した場合はこの例に該当します。
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③ マンションの区分所有権を譲渡担保として設定し、その権利を移転され譲渡担保権者となった人
「譲渡担保」の例として、お金を借りた時の場合を考えます。お金を貸した人を債権者、お金を借りた人を債務者と呼びます。「譲渡担保」を設定すると債権者は債務者から提供された「担保」を自分のものとして受け取ります。債務者が借りたお金を返済すると、債権者は「担保」に設定した所有権や財産を債務者に戻します。
例の中で設定した「担保」はマンションの区分所有権です。「譲渡担保」を設定した時点で、「譲渡担保権者」となり、同時に「特定承継人」となります。
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④ マンションの区分所有権が三者以上にわたって移転し、最初と最後以外の区分所有者となった人
 イメージ画のようにマンションの区分所有権がAさんからBさんへ、BさんからCさんへ移転する時、中間にいるBさんも特定承継人になるということです。※過去には「中間取得者は特定承継人にならない」と判例もあります。ただ、近年は中間取得者も特定承継人として認める傾向がみられます。
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  • なぜ、特定承継人が重要なのか?

 売主がもしそのマンションの管理費等を滞納している場合、その区分所有権を得た「特定承継人」は滞納分を引き継ぎ、支払わなければなりません。「前の持主が作った滞納だから、自分には関係ない」という主張は通用しません。マンションを購入の際は管理費・修繕積立金・その他利用料の滞納状況を確認し、予期せぬ請求がないよう十分注意しましょう。 

2023.05.02

共用部を破損させてしまったときの対応

 桜の季節もあっという間に過ぎ去り、黄砂で車が砂だらけになってしまう日もありました。この季節は花粉症や黄砂でアレルギー症状に悩む方も多いのではないでしょうか。実際にアレルギー反応がある方に聞くと症状が出てからでは遅いようで、マスクや経口薬など事前準備をして乗り切っているようです。
 
さて、今回はマンションの共用部を破損させてしまったときに取るべき対策についてお話したいと思います。
 
こんな事例があります。
 「子供が遊んでいてボールで照明器具を割ってしまった」
「ベランダから物を落としてしまい、1階廊下の屋根に傷をつけてしまった」
 
とっさにやってしまったことで焦りが出ると思います。ただ、黙っていれば大丈夫と考えるのは禁物です。時間経過とともに破損した部分の損傷が進行してより大きな事故を招いてしまう可能性もあります。すぐにマンションの管理人や管理会社へ連絡し相談しましょう。
その際、以下の点をお伝えいただくことが大切です。
 
              1.事故が発生した場所
              2.事故が発生した日時
              3.破損箇所の状況
 
共用部の破損を修理する際、原則として故意または過失かに関わらず当事者が修理費用を負担します。子供やペットが破損させた場合、監督責任を持つ親や飼い主が負担する必要があります。
マンション総合保険に加入しているマンションでは共用部の破損や汚損が補償の対象となっている場合もあります。ただし、破損した人が判明している場合、マンション総合保険ではなく当事者からの損害賠償が優先されます。
 
 個人賠償責任保険を利用して共用部の破損の修復を可能とする場合があります。個人賠償責任保険とは、日常生活で人に損害を与えた時や物を破損してしまい、損害賠償を被ることになった場合に補償される保険です。個人で加入している火災保険などに特約としてついている場合があります。また、自動車で共用部に損害を出してしまった時は、自動車賠償損害保険からの補填となります。万が一にも対応できるように補償内容を確認しておきましょう。 

2023.03.29

子供の転落事故を防ぐには

 

桜前線が北陸に近づいているのか、桜の開花が見られるようになりました。春は植物たちが芽を出し始める中、温度変化による体調不良や花粉・黄砂によるアレルギー症状など春も油断できない季節です。

 

 先日、名古屋市内でマンションから双子の男児が転落死したニュースがありました。悲しい事故をこれ以上増やさないためにはどうすればよいのか考えてみましょう。

 

【転落事故発生の原因】

 転落事故の発生は①保護者が近くにいない、②子供だけで遊んでいる、といった目の届かない状態に起きているようです。また、ベランダに設置されたエアコンの室外機や手すりをよじ登り、転落した事例もあるようです。

窓やベランダからの転落事故における年齢別の救急搬送件数(n=62

東京消防庁管内で発生、平成29年から令和3年までの累計

東京消防庁「救急搬送データ」

(出典:東京消防庁「住宅等の窓・ベランダから子どもが墜落する事故に注意」

 

  【子供の転落事故を防ぐには】

 常に子供を見ているというのは現実的に難しいと思いますので、通常の見守りと合わせて以下の点を押さえておきましょう。

 

①補助錠を付ける

子供が勝手に窓や網戸を開けてベランダに侵入しないよう、手の届かない位置に「補助錠」を設置しましょう。

 

②ベランダや窓付近に物を置かない

プランターや椅子など様々なものが踏み台になり得ます。エアコンの室外機は手すりから「60cm以上」離して設置しましょう。窓付近のソファやベッドも足場になってしまう可能性がありますので、お部屋のレイアウトを確認して安全を確保しましょう。

 

③窓、網戸、ベランダの手すりに劣化がないかチェックする

特に夏場は換気のために窓を開け、網戸だけにしていることも多いかと思います。しかし、網戸は思ったより簡単に外れてしまうため、子供がベランダに出てしまい、結果として転落を誘発してしまうことがあります。

掃除や洗濯など、一瞬でも子供から目が離れるときは窓を閉めるのが基本ですが、網戸自体への対策としては①グラつきがある場合は調整ネジを確認する、②網や枠が劣化している場合は専門業者に修理を依頼する、などの注意点があります。

また、ベランダの手すりについては、サビなどを定期的に点検することをおすすめします。

 

 【出典】

政府広報オンライン

「ご注意ください!窓やベランダからのこどもの転落事故」

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